木目や壁の染みに顔を見い出すより、おしっこに突き崩されたトイレットペーパーを見ているほうがたのしい。時代に関係なくおしっこだ。
 薄い白のらせんにちょっとおしっこすると、それは凹み、穿たれ、便器の淵で顔の深みを獲得していく。おどけたり、怯えたりしている顔はすぐ自分の顔の真ん中からしぼんでいく。便器の水没部分に浸されて、勝手にも溶けていく。浸しの重みがペーパー全体を自分で引きずり込むようにぬるくすぼんで、舞っていく。水没した中におしっこすると、重量のある破片がスローに生まれたりする。昼だから便器の淵の暗さ。薄い黄色の雪の発泡スチロールのようになって、そこに真新しいペーパーを垂らしてやるとすがりつく。手元まで水が伸びてくる。