あっくん大魔王・万楽えね・オッドアイ・パゲ美が4人でフォートナイトをプレイしたコラボ動画が先日配信された。予想されてあった下世話さは思った以上にひかえられながらも、この動画の賑やかさは、十分にひとびとの期待に応えるものではある。だけれども……4人の出自とこれまでの展開を思い返してみるとき、次の箇所を聞きながらひそかに涙ぐんでしまった誰かがいたとしても私は驚かないだろう。
 あっくん大魔王がお手洗いのため席を外し、残された3人(しばしばvtuberのなかで「爆弾」のようにも噂され、言われてきた3人だ)にやってくる会話の時間のなかでのこと。それは私には良質の「ないしょばなし」以外のなにものでもないように聞こえた。


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 下ネタをともかくもたしなめてくれるあっくん大魔王がいなくなり、見送りの笑い声のあとでまたこみあげてきそうな静寂をおして、えねがまず「あっくんいないから……やりたい放題」と勇気でそそのかすだろう。姉妹のような親しみでオッドアイがそれに頷き、どこか照れくさそうに「カウントダウンし放題」と実行的なかまえをとってみせるのはパゲ美だ。0……0……とくりかえすうちに自然に笑みがこぼれてくる3人から、それがくだらなすぎ、どうしようもなさすぎる「シコネタ」であるからという理由で、この場に束の間漂う声のあたたかさ……ないしょばなしの優しさ……を剥奪することがいったい誰にできるだろうか。私はなにも小さな喜びを誇大に言っている訳でなく、心からそう思ってかいている。続く会話では、えねが得意とする下ネタトークのお株を奪われたかたちで、オッドアイとパゲ美から思わぬ猥談の反撃を食らってしまう訳だけれど、それさええねの声のうちにやわらかい笑いの線をたどっていくものだ。
 現代にこれを提示するのか……というひとを絶句させるパゲ美のプロフィールとtwitter上での「絡み」かたや、オッドアイのチンピラしゃべりと異様なゲームプレイ体力、えねのモデリングの見るからにあやしい動作……といったことを、こうしたないしょばなしの時間のなかで私は、ほとんど忘れかけている。だからいいのだと言いたい訳ではない。ただ、ないしょばなしは守られるべきだ、という思いを新たにさせてくれた、そんなことを言いたかっただけかも知れない。違う言い方をすれば「それはさすがに」という言葉に代表されがちな道徳性の外れでしか見守りえない、優しいないしょばなしのことを。
 動画上ではほんとうに短い時間ではある……それでも、あっくん大魔王不在の場でのこうした3人のないしょばなしの響きは私にも長くとどまっていて欲しいと思わせるものだ。こうした時間がいくらかでも、という以上に多く聞き取れることを願って、vtuberのコラボ動画のいくつかを私もまた追っていけるだろう。