肘の内側を見つめていた。自分のからだを眺めるのはすきだ、飽きない。肘の表面は発泡スチロールに似ている。とくに腕を伸ばしたままだとブロック状の皮膚が両極に引っ張られて、縦のすじの細かい密集体として眺められる。レッドグレープフルーツの肉色がきらきらしている。歌人は塩に執してきた、その史、そのつんざきを最終的なところで自分が共有できないことを受け入れながら。