信号待ちをしていて、民家の植木鉢の葉にとまったり飛んだりしている蝶がいて、じっと見ていると思いがけないことに犬……あるいは猫の動きそっくりだと判った。蝶は犬や猫に似ていると判った。蝶の興味の対象はこの場合、葉であるけれど、興味の対象にしばらくかじりついているしかたが似ている。また、それに飽きたように宙を飛び離れてまた帰ってくるしかたも。灰色の貝殻を砕いたような羽で地面に90度横向きになって葉の先に停まっている。左足のそばに植木鉢があったので私は首をねじりながら視線を落として見ていた筈だったようだった。交差点を渡ったのはそのあとの筈なので信号の変わりを見るためにもう一度首をねじり直すこともした筈だった。