「キャロル」(2015年)

 まっとうな感想は省子さん(http://ichigocage.hateblo.jp/entry/2016/02/17/235213)がかいてくださってますので、読んでください。私、アビーいいなあ、すきすき、と観てましたから彼女にもふれてくれてうれしかった、と言っておきます。


 後ろ姿のいい絵が少なくとも二度でてくる。そのひとつはキャロルとテレーズ(もうひとつはキャロルとアビー)。


(「キャロル」、(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014)

 キャロル役のケイト・ブランシェットの唇のすてきな大きさ(赤くて、UFO型だ!)。唇に注目してばかりいるので、最初にテレーズを誘うときに口元が引きつったのも観てしまう。


 1950年代に住まうテレーズが撮る写真はすべてモノクロ写真だ。しかしモノクロ写真を撮りまくるテレーズも、撮られるキャロルも、2015年の映画のなかでカラフルだ(壁の写真――白黒な自分――を眺めるキャロルの後ろ姿)。もちろん当たり前のことだ、とふたりは思い、私は思えない。そして屋根の上で雪がふりだす。恋愛映画で雪がふる。もちろん当たり前のことだ、と私は思い、テレーズとキャロルはたぶん思わなかった。