「ヘイトフル・ナイン」「しらない星のあるきかた」「Virgo Vs The Zodiac」

  • ヘイトフル・ナイン(あーりん)

www.freem.ne.jp

 死にまくって挑む順番よく練りましょうな最短ルート踏破ストラテジーRPG。私は残り4人のとこで足止め中。「いばらのうみ」がそうだったようにこの去年の暮れにでてた新作も話が早くてすごいです。ゲームをスタートしたらすぐに最大出力で伝わるもの、スタートした瞬間にプレイヤーに伝わらなくちゃいけないもののいろいろに極度に敏感な書き手なんだと思う。
 このゲームが(早くも)すばらしいのは画面を染め上げるネオンの海のなかで主人公がどこにいるのかまったく判らないこと。公式のスクリーンショットでは惜しみなく画面が上がっていますけれどもったいないなと思うくらい。主人公がゲーム内でどこにいるかたしかめるためにすることっていったら一歩移動してみることで。っていうあたりの話の早さも。レスポンスは迅速で、悲しいくらいあけすけに情報は惜しみなく。ネオンと音楽。テキスト。

  • しらない星のあるきかた(せがわ)

https://nantekotodesyoune.wixsite.com/shirahoshi

 こまめな感想は真由子さんのところで(https://goo.gl/yQMkyp)。とても素直には受け入れがたいところ、それをそういうしかたで扱われると……というところは少なくないのに、イベントの手数の多さでねじ伏せられたっていうか、屈しました。誰かと会話イベント起こすたびにほかの村や町の住人の会話パターンが塗り替えられるので、広いマップの端から端まで歩き回って延々と話しかけて、会話が変わったらまた最初の地点から飽きずに出直してさ、それが……たのしいのね。ちっとも嫌じゃない。NPCの会話の提示のしかたとかみんなに参照して欲しいくらい。一周目から見れるイベント読める会話は全部おさえときたいガツガツした私はそれなりに覚悟もしといたんだけど、びっくりするくらい時間かかりました。それでもキカメルシの原石は最後の一個見つからないままだし、アジミ反応のコメントなんてとても全部チェックできないし。ドット絵のキャラモーションもすごいし、でもいちばん感動したのはお空の釣りで、あれは私、深くおぼえていける。

 デズモンドもオフィリアもバドさんも博士も女神も音楽家兄妹もユーリカも、ってだいたいキャラクターはすきなんだけど、ここは「少年」に敬意を払ってトフくんのお顔をのせときます。「お前たち」ってぶっきらぼうな呼び方から始まったのに「騙されないようにしなよ」って柔らかい語調にひとつのメッセージウィンドウ内で着地したり、こういうのすきだと思います。二人称表現とのずれっていうか。その二人称を選んだらそういう語調で言ってくるんだろうなーって予想をすっぱり裏切ってくれる言葉遣いに弱いです。あ、あと! 「~してよね。」みたいな言い方も超すき、ラブ。冷ややっこ食え、トフくーん!!!って画面の前で大騒ぎしながらお城に押しかけて口に詰めこんでごめん。


 私がいちばん心の上でむつかしさを感じたのは実は主人公のフクローとエディの兄妹で。この子たちへの遠さにくらべたらコルメさんとかなんてことなくない??と思う(肉屋さんにばかり手を汚させて、という反省にむしろ心は傾く)。嫌いとかではなく、この子たちの思いばせが判らないんだと思う。そしてそれにはゲームのシステムも味方してると思う。このゲームのなかでは食事が大きい意味をもってる訳だけれど、食べる側と食べられる側がもちろんそこにはいて、そのどちらとも和やかに主人公たちが会話できるのはもちろんフクローが持ってる翻訳機のおかげであるけれど、食べられる側は食べる側に深刻な嘆きと呪詛を抱えてる訳です。その嘆きや呪詛にはフクローもエディも基本的にノータッチで進んでいくし、問題視されないそういった恨みつらみの晴れなさはプレイヤー側に丸ごと担わされるから、どうしてもそこでコンフリクトが生じるんだと思う。まあそういうものだし、で済ませるにはこのコンフリクトは大きいと思う。クロモチがわりと序盤でオトートの話をしてくれるのはささやかな慰めのためだと思うけど、それくらいでひとの心は晴れないでしょう。
 サーカスのあれこれとか、もっと言えば音楽家兄妹の「子供好き」に対するニュアンスとか、悪ふざけ以上のものではないと思うところもあるし、いや悪趣味のための悪趣味で救われる魂だってあるとも思うけど、一方で真面目に臨んでるシナリオとそれらが入り交じってて、この作品への同意できなさはそこらへんに端を発してます。あと、フクローもエディも状況によってたしかに言い方とかは言葉の上で変わるけど、気持ちのトーン自体はいつも一定だな、って感じてしまう。これは私の偏見だけど、「ココロイキ」とか「ゴキゲン」とかカタカナ多用な語彙の選択も、きっと飄々としたふたりの気質を示したいんだろうけれど、それはよく判るんだけど……ちょっと信じられなくなってしまいます正直。
 ここまでかなり正直にかいてきたつもりであるけれど、にもかかわらず今年プレイしたゲームでは間違いなくものすごくのめりこんでやった作品のひとつでもあって、すっごくすきなところもたくさんあるし、やっぱり一筋縄ではいかないです。

  • Virgo Vs The Zodiac(Moonana)

youtu.be

 乙女座のヴァルゴさんがしゃべるジンジャークッキーを連れて星々のGOLDEN AGE,黄金期を取り戻しに行くミラクル星座戦RPG。ストーリーとか見どころとかはクラウドファンディング用の特設ページ(https://www.fig.co/campaigns/virgo-vs-the-zodiac)にごっそりかいてあるので読んでください。資金集めページ見るたびに思うけどいかにもわっくわくに思わせるかきかたをよくみんな心得てますよね、と感心して、でもこれはほんとうにわっくわくな作品。メインのメインに十二星座たちが据えられてるだけでちょっと心ゆるしてしまうのもたしかだけど。
 ピクセルアートバシバシ描いてもりっと動かしまくるターン制バトル。でもタイミングよくボタン押すアクション要素もあったり、このゲームと同じくまだ開発中の筈の「Blue Omen」のDEMOにも近い工夫です。お話の質感と合わせて思い出すとなると国内のフリーゲームだと「帽子世界」とか「星の王女さま」とかすきなひとはん!?って振り向く気がする。日本語ローカライズしてる有志のひととか当然いないので、私ほとんど判ってない状態で進めてるけどそれでもとってもたのしい。


 このゲームどうも「盾推し」みたいで防いで反撃システム!とかわざわざ銘打ってるくらいだけど、Shieldするドット絵、たしかに気合入ってる! こんな盾モーションかっこよく仕上げられてたら使うしかないですし。私、うっかり古いDEMO版でプレイしてしまったけどもう新しい版でてるし、現在進行形でどんどん練り直されてるようだからこれからもっと鮮やかなモーションとか絵が披露されるんだと期待してしまう、主催のナナさんが上げてる進捗映像見るかぎりなんだかどんどんすごいし。
 属性も、オリジナル属性&オリジナルアイコンなの嬉しいです。グリーン、パープル、レッドのじゃんけんって言ってしまうとそうだけど、この属性が物語を進めていく際のヴァルゴさんの進路条件も司ってるらしくてそこらへん装備とか伸ばしてくパラメーター思案しないと、なのは「GLITCHED」(あのゲームは今どうなってるんでしょう)とかと共有するものもあるのかも知れない。とにかくこれからもりもり放出されてく筈の開発中ゲームなので私もできるだけ追ってみたいです。