★図書館で:『女がうつる ヒステリー仕掛けの文学論』(富島美子、1993年)。「(ポジ)なんてったってダイアモンド」~「(ネガ)ダイアモンドがなんていっても」は久しぶりにときめく小見出しだ。もっとも、この題は内容に即して律儀に分解してしまえる。ダイアモンドは医学者兼写真家のヒュー・ウェルチ・ダイアモンドから採られてるのだし、ネガ/ポジも写真術由来の用語というので、章内で扱っているテーマ(女性のヒステリー者を対象として撮影された写真、そのプリントへも無意識に要請される「女らしさ」の分析と批判)にこれはどこまでも忠実ではある。つまり「解題」に際しても親切な筋の通し方という訳だけど、それでもこのフレーズはそれ自体でいいな、と思う。なにも短歌耳をさもしく利かせ、そうなるつもりはなかった下句をここに嗅ぎつけて言ってみたいのではなく。さらにまた、この「なんてったって」の元ネタを思い返し、それからここでのかきかえと合わせていろいろ思うことさえできるにせよ(ヒステリーという現象自体が長く「アイドル」でもあったろう。癌はアイドル、シャルコーはアイドル……)。それでも、「ダイアモンドがなんていっても」はそれ自体光ってる。お前はどうだ? 私は、しばらくはこのフレーズを胸にしまいこんでいるつもり。