秋元不死男・平畑静塔の10句抄出(『現代俳句の世界13』から)

驟雨が来波間の少女色かはる/秋元不死男『街』


神の指かくまで花を発しける/『瘤』


佛像を蟻の一匹出没す


蔦巻く家へ悲劇の方へ一歩づつ


霰打つ模型の鮨をめがけては/『万座』


優曇華をおおと穢む男かな ※穢(きたな)


風花の弔旗へさはれるを数ふ


滝鳴らずなりたり鳴らずなりにけり/『甘露集』


エンジンが主たる世の音雹がふる


額が咲く死さへ納得できぬのに

七・七の襟々の花射程裡に ※七・七(ダブルセブン)/平畑静塔『月下の俘虜』


わが下僕顔春の夜のエス祈る


復活を半ばは信ず蠓立ち ※蠓(まくなぎ)


米とぐと森の祭は森に済み/『旅鶴』


地声にて聖母農園鳥威す


穂すすきは少女同士のこらす鞭/『栃木集』


みちばたに名は何といふ残雪か


うす繭の中ささやきを返しくる


はぐれたるはかなき霧にまつはられ/『壺國』


花野には幡と書かるる巌あり/『漁歌』 ※幡(ばん)


昔読んだときにつけてったマークに沿ってざっと・・・したもの  10句はほんとしんどい、無理あるなと思うけど。

まぼろしのあをあをと鯊死にゆけり」
「立つ虹の音をにぎりてゐたりけり」

とかさすがに読み飽きたでもないけど、自分のなかで印象し飽きた句ではあって
それは「約束はみんな壊れたね。」あるいは「ひなにんぎやうのかたなのつば」のような、「その作家の代表作と大多数から見なされてあること」と「私自身が入れこんだ作であること」が齟齬なく一致してしまう時間を持った作品・・・・というのに対する現在の気持ちってすごくむつかしいなとも思ったりして、でも「うす繭の中ささやきを返しくる」とか今日もなおぐっとくる句も一方であって
いろいろ思う訳ですけど。

そういえば不死男の写真は昔きわみさんがあげててわお・・!でしたけど、これも『現代俳句の世界13』で見れるもの 私もすき。
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